産業界で幅広く使用されているロールコーター!コーターの種類と保守管理について

ロールコーターをはじめとする各種コーターは、電子部品、光学製品、食品・医薬品包装、印刷分野など、幅広い産業で不可欠な存在です。

こちらでは、ロールコーターの役割と、コーターの種類、コーター別保守方法について詳しく解説します。

産業界におけるロールコーターの役割

産業界におけるロールコーターの役割

ロールコーターは、様々な産業分野で重要な役割を果たしています。この装置は、フィルムやシートなどの平面状の基材に対して、均一な厚さで塗工液を塗布できます。その特徴から、以下のような産業分野で広く活用されています。

電子部品製造

  • プリント基板への絶縁コーティング
  • フレキシブル回路基板の製造

光学・液晶製品

  • 偏光フィルムの製造
  • 反射防止コーティングの塗布

食品・医薬品包装

  • バリア性コーティングの塗布
  • 抗菌コーティングの適用

印刷・出版

  • 紙やフィルムへの印刷用コーティング
  • 光沢仕上げや保護層の形成

ロールコーターの主な利点は、以下のとおりです。

  • 連続的かつ高速な塗工が可能
  • 幅広い基材に対応可能
  • 多様な粘度の塗液に適用可能
  • 精密な膜厚制御が可能

産業界では、製品の品質向上や生産効率改善のため、ロールコーターの技術革新が続いています。例えば、多層同時塗工や環境に配慮した水性塗料への対応など、様々な要求に応える新しい技術が開発されています。

このように、ロールコーターは産業界において製品の機能性向上や製造プロセスの効率化に大きく貢献しています。今後も、さらなる技術革新により、その役割はますます重要になっていくと考えられます。

コーターの種類

コーターの種類

コーターは、様々な基材に対して塗工液を塗布するための装置であり、その塗工方式によって多岐にわたる種類があります。

こちらでは、代表的なコーターの種類をいくつかご紹介します。

ロールコーター

ロールコーターは、1本または複数本のロールを使って塗布液を基材に転写する方式で、非常に汎用性の高い装置です。低粘度から高粘度、薄膜から厚膜、低速から高速まで幅広い条件に対応可能です。ロールの回転数や回転方向、ギャップで膜厚を調整します。

ダイコーター

ダイ(口金)を通して塗工液を直接基材に供給する方式です。塗工液が外気に触れにくいため、粘度変化や気泡の発生を抑えやすく、特に光学フィルムや機能性フィルム、リチウムイオン二次電池など、精密な塗布が求められる分野に適しています。

塗膜はダイヘッドからの吐出量と、基材の搬送速度によって制御されます。

グラビアコーター

彫刻ロールで塗工液を汲み上げ、ドクターブレードで余分な液を落とし、均一な液膜を形成してから基材に転写します。これにより、精密で均一な塗布が可能となり、特に薄膜を必要とする用途に適しています。

高速化も容易で汎用性が高いため、広く使用されている方式です。

ナイフコーター

ナイフローターは、基材上に供給された塗布液を、ブレード(ナイフ)を使って均一に薄く引き伸ばす方式です。高粘度液でも対応可能で、比較的厚膜の塗布にも向いています。ブレードの角度や隙間を調整することで膜厚をコントロールできます。

バー・ロッドコーター

ワイヤーバーまたはロッドと呼ばれる金属棒を使用し、基材上に塗布された塗工液を均一な厚さに引き伸ばすシンプルなコーターです。設備コストが安く、設定も比較的簡単なことから、紙、不織布、高機能性フィルムまで、幅広く使われます。

膜厚は、ワイヤーバーに巻かれたワイヤーまたはロッドの溝の深さ、回転数、回転方向によって調整します。

これらのコーターはそれぞれ異なる特性を持つため、塗布する材料や基材、求められる膜厚や均一性などの要件に応じて最適なものを選択する必要があります。

コーター別保守方法

こちらでは、主要なコーターの種類ごとに、適切な保守方法について解説します。適切な保守を行うことで、トラブルを未然に防ぎ、安定した生産稼働を維持することができます。

ロールコーター

ロールの清掃

塗布液が付着しやすいロール表面や周辺部品を定期的に清掃します。特に硬化した塗布液は性能低下の原因となるため、使用後は速やかに洗浄することが重要です。

ロールの点検

ロール表面の傷や摩耗、振れなどを定期的に点検します。必要に応じて研磨や交換を行います。

ベアリングの潤滑

ロールの回転を支えるベアリングに適切な潤滑を行います。

ダイコーター

ダイリップの清掃

塗布精度に直結するダイリップ(吐出口)は、詰まりや汚れがないよう丁寧に清掃します。

ダイリップの傷・変形の確認

ダイリップに傷や変形があると、正確な塗工ができなくなります。慎重に確認し、問題があれば専門業者に依頼して修理または交換します。

塗工液供給系の点検

ポンプや配管に詰まりがないか、液漏れがないかなどを定期的に確認します。

グラビアコーター

グラビアロールの清掃

凹部に塗工液が残ると目詰まりの原因となります。使用後は速やかに洗浄します。

グラビアロールの摩耗・傷の確認

グラビアロールの凹凸が摩耗したり傷ついたりすると、塗工量やパターンに影響します。定期的に状態を確認します。

ドクターブレードの調整・交換

ドクターブレードの状態は塗工量に大きく影響します。摩耗や欠けがないか確認し、適切に調整または交換します。

ナイフコーター

ナイフブレードの清掃

ブレードに塗工液が付着すると、塗工厚みにムラが生じます。使用後はきれいに清掃します。

ナイフブレードの摩耗・欠けの確認

ブレードの先端が摩耗したり欠けたりすると、均一な塗工ができなくなります。定期的に確認し、必要に応じて研磨や交換を行います。

クリアランス調整

基材とのクリアランス(隙間)が適切に保たれているか確認し、必要に応じて調整します。

バー・ロッドコーター

バー・ロッドの清掃

バーやロッドに付着した塗工液を清掃します。溝付きの場合は、溝の詰まりがないか確認します。

バー・ロッドの摩耗・傷の確認

バーやロッドに摩耗や傷があると、正確な塗工量が得られません。定期的に状態を確認し、必要に応じて交換します。

固定部の点検

バーやロッドを固定する部分に緩みがないか確認します。

これらの保守作業を適切に行うことで、コーターの性能を維持し、高品質な塗工を持続させることが可能です。定期的なメンテナンスは、設備の長寿命化にもつながり、結果としてコスト削減にも貢献します。日々の点検と早期対応を心がけ、安定した生産体制を維持しましょう。

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