Column

2026.09.15
KCS TECH COLUMN

半導体・電子材料の高機能化を支えるコンバーティング技術

AIやデータセンターの拡大などを背景に、半導体市場への投資が活発化しています。

SEMIによると、2026年の世界半導体製造装置(新品)の売上高は前年比23.2%増の1,659億ドルに達する見通しで、AI向けの先端ロジックやHBM(広帯域幅メモリ)、先進パッケージングなどへの投資が市場を牽引しています。

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こうした半導体の高性能化を支えているのは、半導体製造装置だけではありません。

その周辺では、さまざまな電子材料・機能性材料が使用されており、それらを安定して製造するための加工技術も重要になります。

その一つが、フィルムや箔などのロール状材料を扱うコンバーティング技術です。

電子材料とコンバーティング技術

コンバーティングとは、フィルム、紙、箔、不織布などの基材に対して、

・塗工
・乾燥
・ラミネート
・スリット
・搬送
・巻取り

などの加工を行い、新たな機能や価値を持つ材料へ加工する技術です。

電子材料の分野でも、フィルムや箔などの基材に機能性材料を塗工したり、複数の材料を貼り合わせたり、所定の幅にスリットして巻き取ったりと、さまざまな工程でコンバーティング技術が利用されています。

材料が高機能化・薄膜化するほど、単に「加工できる」だけではなく、材料の性能を維持しながら、安定した品質で加工することが求められます。

高機能材料ほど「安定して搬送する」ことが重要

例えば、薄いフィルムや箔をRoll-to-Rollで加工する場合、わずかな張力の変化やローラーの状態によって、

シワ、蛇行、巻きズレ、塗工ムラ

などが発生することがあります。

材料そのものが高性能であっても、加工工程が安定していなければ、最終製品の品質や歩留まりに影響する可能性があります。

そのため、高機能な電子材料を製造する際には、材料開発だけでなく、

「その材料をどのように安定して加工・搬送するか」

という視点も重要です。

塗工・乾燥工程でも求められる高い再現性

機能性材料の製造では、基材表面へコーティングを施す工程も多くあります。

このとき重要になるのが、塗工量や膜厚、乾燥条件などの安定性です。

特に研究開発から量産へ移行する際には、小さなサンプルで得られた結果を、連続したRoll-to-Rollプロセスでも再現できるかを確認する必要があります。

過去のKCS TECH COLUMNでもご紹介したように、研究開発段階からラボスケールのR2R設備を活用することで、塗工・乾燥・搬送といった条件を連続プロセスで検証することができます。

材料開発とプロセス開発を並行して進めることは、将来的な量産を考えるうえでも重要なポイントとなります。

巻取り・スリットまで含めて考える

塗工や乾燥が完了しても、コンバーティング工程はそこで終わりではありません。

材料を次工程へ送るためには、安定して巻き取り、必要に応じてスリットする必要があります。

多条スリット後の巻取りでは、各ロールの巻径などの違いによって張力差が発生することがあります。

前回ご紹介したフリクションシャフトのように、各ロールの違いを吸収しながら安定した巻取りを行うための技術も、最終的な製品品質を支える要素の一つです。

このように、

塗工 → 乾燥 → 搬送 → スリット → 巻取り

という一連の工程を安定させることが、高機能材料を安定して製造するためには重要です。

材料の高機能化とともに、加工技術も進化する

AI、先端ロジック、HBM、先進パッケージングなどへの投資拡大を背景に、半導体・電子材料を取り巻く市場では、今後もさらなる高性能化が求められると考えられます。SEMIでは、世界の半導体製造装置市場は2028年まで成長が続くと予測しています。

材料が薄く、高機能になるほど、その材料を扱う加工技術にも高い精度と安定性が求められます。

K Converting Solutionsでは、海外メーカーの製品・技術を組み合わせながら、

塗工・乾燥、ウェブ搬送、スリット・巻取り、既存設備の改善

など、コンバーティング工程に関するさまざまなご相談に対応しています。

「薄膜・高機能材料の搬送を安定させたい」

「研究開発からR2Rプロセスへ移行したい」

「スリット・巻取り工程の品質を改善したい」

「既存設備の一部を改善・レトロフィットしたい」

といった課題がございましたら、お気軽にK Converting Solutionsまでお問い合わせください。